2008年2月20日

酒へ込める想い

 ふと思いついたので、ひどく酔いながら僕の酒へ込める想いを書いてみたい。酔いながら書いたblogといえば梅田望夫のすこし前のエントリーを思い出す。普段は冷静に情熱を吐き出す人が、こうやって素で語る場面ほど熱いことってない。こんな風に書ければいいのだけれど、僕は元から冷静じゃないからそれは難しいかもしれないな。

 はじめて美味い酒と出会ったのはOutsider7.7というバーだった。馬場の駅から3分くらいで、HUBの裏手にある。いま振り返ってみれば学生向けにそこそこの酒を安く出すバーだと言えるけれど、当時はバーという雰囲気が好きで週に7日くらい通ったものだった。そして、ここで酒の味を覚えた。5時に入店して閉店までいることもザラだった。8時頃に店を出てやすべえで大盛りを食べて即吐いてそのまま店に戻ったり。。。小村さん元気ですか。その頃はここの第二テーブルで告白するのが僕の常だった。いい時代だった。もうなんだか懐かしいな。

 さて、僕が好きな酒について語ろう。

 ビール。これは言うまでもないけれど、僕はビールが好きだ。いつから好きになったか。たぶん大学1年の後半に前述したバーに通いだしてしばらく経ってからだ。それまでは好きじゃなかった。

 ビールが嫌いな後輩たちに伝えたい。ビールは苦いんだ。僕はよくカンパリの苦さを恋の苦さと言うけれど(死んだほうがいい)、ビールの苦さはもう少し緩い。たぶんマラソンをしている時の辛さに近いと思う(同居人の聖二は東京マラソンを5時間弱で完走した)。完走した後の清々しさ。それに近いものがビールには込められている。

 いいかな。ビールが美味い時はいつだってその前に「何か」が起こってる。あんな苦い飲み物、少なくとものみはじめのうちは美味く感じるわけはない。でも、そこに「何か」が起こったから、美味く感じるんだ。それは大学の合格かもしれないし、はじめての彼女かもしれないし、あるいは単位が取れたことかもしれないし、イベントの成功かもしれない。

 でもとにかく、ビールの苦さには常にその前の「何か」がつまってる。人とのドラマ=ストーリーがそこにはある。ストーリーを重ねれば重ねるほど、ビールは美味くなっていく。

 僕は夏には沖縄のOrionかフィリピンのサンミゲールかオランダのHainekenを好んで飲む。冬になるとチェコのピルスナー・ウルケルやプレミアムモルツを好んで飲むようになる。バドワイザーは発泡酒みたいで好きじゃない。ここには、やはり僕なりの思い出がつまってるんだと感じる。来年は韓国のノイ・ベルトを追加した方がいいかもしれない。それが平山ビルのメインビールだ。

 でもビールより好きな酒が実はある。ワインだ。750mlをあけるのが億劫だから最近は控えているけれど(今は飲んでる)、本来的には美味い赤ワインより好きな酒はない。フランスの特級なら何だっていい。白ワインならドイツの甘いのが最高だ。どちらにするか迷ったら安くて美味いイタリア産のを選ぶことになる。もちろんチリのだってオーストラリアのだってカリフォルニアのだってスペインのだって長野産だって、どれも美味い。あぁブルーチーズに蜂蜜をかけて食べたくなってきた。これは安くて手軽で美味い。濃い赤にも、甘い白にも、そしてスパークリングにもあう最高のつまみだ。

 ワインとビール以外によく飲んだものといえばシングル・モルトがある。ウイスキーはバーボンよりスコッチの方が好きなんだ。ハーパー・ダブル・ロックみたいな頼み方はかっこいいけれど、酔いやすい僕はそんな頼み方はできない。ラフロイグ、ボウモア、カリア、ラガヴーリン・・・。村上春樹の「もし僕らの言葉がウイスキーだったなら」に魅せられてアイラ島のをよく飲んだものだ。それから売り上げトップのフィディックも忘れられない。もちろんシングルじゃなくたっていい。安くて美味いカティー・サークなんて家に置いとくのには最高だ。

 後はカクテル。とにかくマティーニだ。特にドライ・マティーニ。石原慎太郎がある小説で書いていた「マティーニは男の酒だ。たとえ1杯で酔う男がいて、3杯で酔わぬ女がいたとしても(言葉はちょっと曖昧だ)」という名言から、ジンとオリーブが元々好きだったのもあって、いつしか僕の定番になった。もちろんジンはタンカレーがいい。前述したOutsider7.7のマスターにはよく「ばばちゃんほどマティーニが似合わないのもいないよね」と言われながら飲み続けたのを思い出す。

 そのマスターとも5年近い付き合いになる。最近行くと閉店の時間を過ぎても相手をしてくれて、ふだんは僕が飲まないようなちょっと高い酒を飲ませてくれたりする。バランタインのシリーズを同時にすべて飲ませてくれたこと、そこから僕の第二のウイスキー人生がはじまったと思う。振り返るとこんな生活を送るなんて、大学受験をした頃にはとうてい考えられなかったな。今日はうちの政経学部の受験日だ。ここのところ塾生たちと毎日会っている。彼らの頑張りを見ると、僕も心が引き締まる。。。

 でも酒の話を続けよう。もう僕が語るべきことも残り少なくなってきたことだし。

 その後に続くものにはあまりこだわりはない。あえて言えば日本酒、ブランデー、ラム、焼酎あたりになるのかな。日本酒の味比べはできない。せいぜい甘い辛いが分かるくらいだ。ブランデーは親戚がもらうお歳暮なんかをもらって来て飲むうちに(誰も飲まない)、次第に好きになった。たしかに食後に落ち着いて飲むブランデーは最高だ。

 ラムはフィリピンで買ってきたのが思い出深い。80度の750mlくらいのが、現地では100円くらいでたくさん買えた。そしてこれがとんでもなく美味かった。旧Bar馬場ではよく飲まれていた酒のひとつだと思う。たぶんこの頃に国沢に沖縄のグラスをもらったんだなぁ。そのグラスでよく飲んだのを覚えている。これ、平山で失われたと思っていたら4階の奥から出てきた。ほんとによかった。

 そして焼酎。

 僕の親父が日本の焼酎4大名産地の壱岐という島で生まれたということもあり、決して嫌いじゃない。あまり知られていないが壱岐は麦焼酎湯発祥の地だ。亡き父の影響でか僕の母は毎日のようにキッチンでタバコを吸いながら麦焼酎のお湯割りを飲んでいる(親譲りだ)。

 なにか書き忘れた酒がある気がするけれど、まぁいいことにしよう。書いている間に、結局ワインをさらに一本あけてしまった。至福。もうビールか何かを飲んで寝ることにしよう。最後まで読んでくれてありがとう。次にあなたと飲める日に、乾杯。


 【フォト】RIEDELのワイングラス。僕がいちばんお世話になった先輩の結婚式でもらったカタログ式の引き出物で注文したものだ。つい先日届いた。塾を拡大させていって、いつかテレビ局で活躍している先輩を招けるくらいの場所にしたい。このグラスで乾杯するのが、僕がいま抱いている夢のひとつだ。

1 Comment:

koamtsu さんのコメント...

この記事めっちゃ面白かった。
お酒は、馬場のロータリーで泥酔して吐く人々をみて嫌いになったけど、そんなんじゃないですね!

わたしマティーニ飲む女になりたいです!