2008年5月18日

続・一歩踏み出す

 5月5日に「一歩踏み出す」というエントリーを書いた。その最後を「どこに踏み出すかって?今の俺には、もうここしかない。『ウェブ』という新たな世界。この話の続きは近いうちに。」と結んだ。今日はその続き。

 ネットをヘビーに使う人たちの一部で有名な「はてな」と呼ばれる会社がある。僕がよく引き合いに出す梅田望夫が取締役をしていて、代表が「へんな会社」のつくり方 なんて本を出してる、ちょっと変わった会社だ。「はてなダイアリー」「はてなブックマーク」 といったサービスが有名で、結構な人数のユーザーがいる。僕も「ブックマーク」をウェブ巡回メモとして使っていて、最近「ダイアリー」を読書メモとして使いはじめた。

 その「はてな」内のとある「ダイアリー」で、これを見てる人たちで集まって飲もう、という企画が生まれた。ウェブの世界に一歩踏み出す、と決めていた僕は主催者にメールを送り、ジョンと一緒に参加させてもらった。主催者の方が当日の様子を伝えてくれているので、会の詳細についてはそちらで。結局、あまりに面白くて二次会までついて行ってしまった。

 この会で印象に残ったことをふたつ。ひとつ目は、「文系の凄い人たちはまだウェブに出てきていない」というある参加者の言葉。ふたつ目は、僕と同年代の人が少なかった、という点だ。

 「文系の凄い人はまだウェブに出てきていない」という点は僕も強く感じていた。元々「はてな」が理系ユーザーに好まれるから理系の存在感が高いというのもあるけれど、そもそも文系の人は本格的にウェブの世界に入ってきていない。文章は書籍で出版・購入すりゃいいでしょ、という感覚が根強いように感じる。

 日本は文理の区別が強いが、その中で「自分は理系です」という日本人は総人口からするとかなり少ない。「文系」がウェブでの存在感を増していかないと、ウェブは理系寄りの限られた言論空間のままになってしまい、本来のパフォーマンスを発揮できない。

 文章を書く、というのはそれこそ「文系」が担ってきた仕事のはずで、それを通じて可能性を大きく拡張するウェブの世界に、当の文系が進出していないのはもったいない。梅田望夫と対談した斉藤孝のような「文系の大家」が本気になってウェブを推奨すれば面白いのだけれど、残念なことに「僕はblogはいいよ」という結論に達してしまう。

 英語圏のサービスに参入できない日本人は、自らの言語空間を拡張して独自の文化を築いていかないと、世界に取り残されると僕は思う。資源のない日本において、勝負できるのは「独自の文化」しかないだろう。ウェブはそれを加速してくれるのに、「文系の凄い人」はウェブの世界ではまだまだ発掘されていない。

 ふたつ目の若い人が少なかったという点だが、僕の世代の参加者は15人中4人だけだった。それもすべて男。参加する方々の年齢が(僕らの世代と比べると)高かったから、というのもあるけれど、こういうウェブを通じての集まりに素敵な女子大生が参加するのが当たり前になるくらいでようやく、未来を担う若者にウェブが浸透したね、って言えるのだと僕は思う(冗談ではなく)。

 否定的なことばかり書いてしまったけれど、「だからダメなんだ」と言いたいわけじゃない。日本におけるウェブ利用はまだまだ黎明期で、だから俺達が率先してやろうぜ、これはチャンスなんだよ、ということを伝えたいんだ。


 はてなでの読書メモをはじめたのは3日前。その初日、『私塾のすすめ』のメモを書いたら、著者である梅田望夫がすぐさま「スター」を付けてくれた。スターというのは「はてな」における「読んだよ、いいぜ、頑張れよ」ってサインのようなもの。遥かカリフォルニアの地に(多分)いる梅田氏に「応援してるよ」と背中を押されたように感じた。

 先の飲み会には、その梅田氏と家族ぐるみの付き合いがあったり、仕事上で一緒になったことがあったり、あるいはインタビューを受けていたり、といった人達がいた。僕は彼らのblogを知っていたけれど、当日その場ではほとんど分からなかった。

 本人とblogが結びついたのは飲み会の後、自宅でウェブを確認してからだった。「ああ、この人だったのか!」って。それぞれに面白い経歴があって、リアル社会でも活躍していたり、「はてな」で人気のあったりする人たちだ。ちょっと勇気を出して一歩踏み出せば、面白い人、自分に合う人と出会うことができるのをリアルに感じられた。すると、ますますウェブが面白くなる。

 こういう世界が、手を伸ばせば届くところにある。このblogを読んでくれてる人の多くは早稲田生やその卒業生あるいは早稲田を目指している人が多いはず。そういう人たちこそ、今いる場所から一歩踏み出して、新たな世界に進むべきなのだと思う。「文系」かつ「若い」僕ら、せっかくのチャンス、一歩踏み出していこうよ?

 ウェブを通じて、現実世界の踏み出しも増える。現実世界にもウェブ世界にも、一歩踏み出し続けて行くことで日々は楽しくなる。それが広まれば日本の若者は盛り上がってくる。

 それを少しでも実現するために、まず早稲田を横につなげる会、それからウェブで若者を横につなげる会、この二つを近いうちに企画しようと思ってる。「一歩」というさざなみが、連なることで大きなうねりへと変わっていくことを信じて。

 「文系の若い奴」といったら俺だろ!という覚悟で、僕はフルスピードで踏み出し続けるよ。


 最後に。

 横浜小会議、やんちゃな若輩者の僕を、笑顔で快く迎え入れて下さった皆さんに、本当に感謝。


 【フォト1】 庄司誕生会。25歳になるおっさんのために、夜の大隈講堂まで何十人と仲間・後輩が来てくれるたぁ、彼は幸せ者です。僕からも感謝。

 【フォト2】 第二八愛ビル、ついに退去してしまったね。残念だけれど、これも皆の新たな一歩でしょう!俺もたくさん世話になりました。ありがとう。たぶん彼は(ジョンと並んで)大いに寂しがってるので、みんなで応援してやりましょう。

2 Comment:

さんのコメント...

つい最近『ウェブ進化論』を読んだ自分からしたらすごくわくわくします!!
早稲田を繋げる会是非やりましょう!!
また近いうちにお邪魔します☆

jadiennezaks さんのコメント...

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