2008年6月24日

単純明快な言葉


 高校を辞めてネットゲームにのめり込んでいた時期がある。朝から晩まで、それこそ24時間以上やり続けることもザラだった。ゲームの中では勝負に勝つため音速のチャットが必要で、その結果タイピング力が自然と身についた。息抜きに遊ぶe-typingでは、今でもやれば上位1%にランクインする。

 高校時代唯一の遺産といえるタイピング力のおかげで、文章を打ちこむのは苦にならない。けれど欠点もある。僕の文章は、ご存じの通りいつも長い。昨日上げたエントリーをカウントしたら2800字だった。原稿用紙7枚分。自分でも読み返すのがちょっと辛いくらいだ。

 僕が長文を書くのは、書籍にできる量の文章を書くための修行という面が大きい。blogを薦めてる奴がそんな長い文章ばかり書いていたら、新たに書こうとする人も気後れしてしまうに違いない。だいたい文章というのは「いかに削れるか」の勝負だと僕は思っているし、blogはそれに適したメディアだ。だからこれからは意識的に短くして、その代わり更新頻度を上げてみようと思う。
 
 学生は一般に時間の感覚に欠けている。話が長いし、言葉は曖昧で、まとまりが悪い。「想い」が溢れているからだということは僕も分かる。僕が誰よりもそうだったし、今もそうだからだ。でもカミュはこう言った。

 単純明快な言葉だけが世界を救う。

 どこで出会ったかは忘れたけど、これは僕の数少ない文章訓のひとつだ。もっと言葉を鋭く、もっと文章を明快にしていきたい。


 PS.e-typingはなかなか面白いけれど、受験生はほどほどにね。

 【フォト】 清野が9月6日(木)にシンポジウムで語るそうです。場所は江古田の武蔵大学。みんな空けといて観に行こう。参考:日本熊森協会