2008年8月31日

嵐の向こうへ


 恋愛、結婚、出産。そんな話を立て続けに聞いている。

 中学からの付き合いで、受験時代にいつも僕の話を聞いてくれた親友。大学で出会い、僕がいちばん影響を受けた先輩。そのふたりが今年度末に子どもが生まれるという。偶然にも、同じ日の夜にそれを知った。大学のサークルの同期カップルは、来秋に結婚する段取りだそうだ。

 そのすべてにおめでとうという言葉を贈りたいけれど、僕にはあまりにリアルじゃなくて実感がわかないので何も語れない。でも、そう思ってることだけは伝えたい。「おめでとうございます。いろいろ大変だと思うけれど、またゆっくり話せる日を楽しみにしています。」

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 彼らと出会った頃からすれば、未来がこうなるなんて想像できなかった。でも現在を基点にして過去を振り返ると、すべては必然に思える。たくさんの出会いがあった。その分だけ別れがあった。そのどれひとつが欠けても、いまこの瞬間はあり得なかった……。

 どんな未来も、俺が納得できるように変えてやる。そう思い続けて生きてきた。人生で求めて手に入らなかったのは初恋だけだと豪語してきたけれど、最近じゃそれも含めてすべてを手に入れてきたのだなと思う。そして、これからもそう語り続けていくような気がしている。

 僕はあらゆる過去を肯定する力をつけた。残っているのは未来だけだ。そして、未来というのは10年後にポンと置いてあるものじゃなくて、いまこの瞬間に立ち現れてくる一瞬の積み重ねに過ぎない。だから、目の前にある大切なものを、しっかり捕まえて手放さないように生きたいと思う。

 いつか必ず大波は襲ってくる。嵐の近づく浜辺のように、気付かないくらいの小さな綻びが、一瞬にしてすべてを飲み込む荒波へと変わる。だから、どんな波がやってこようと飲み込まれぬ力をつけるため、彼方の空を見つめながら、日々の小さな波に乗り続ける。そうして、大荒れの日にも、うねる高波をくぐり抜けて滑走する波乗りみたいに生きられたらいい。

 50年くらい後にたどりつく場所で、僕はどんな景色を見るのだろう。すべてを手に入れた世界で、楽園だと肯定できるのか、地獄だと絶望するのか。たぶん、結果はどちらでもいいのだと思う。ただ、その景色を目に焼きつけて、納得して人生を終えたい。その欲望だけが僕を突き動かしているんだろうな。

 求めるものは未来の中にある。全部、乗り越えて、ねじ伏せて、奪い取ってやる。そのためにするべきは、日々のありふれたものを大切にしながら必死で生きること。それだけだ。僕はただひたすらにトップスピードを更新し続ける。ぼやいてる暇は、ない。


【フォト+ひとこと】 お盆の頃の、てっちゃん(長崎から)お帰りパーティー(実は昨日も会ったんだけど)。/このエントリーはしばらく前に書いたもので、投稿すべきか迷っているうちに日々に追われ、そのままになってた。/8月ももう終わりですね。今月溜め込んだ分だけ、来月の僕は色々と動きがあると思います。お楽しみに。