2009年1月6日

滑稽なルールより滑稽な自分

 メールを送るとき、相手の名前を「~~さま」と呼ぶ必要に迫られることがある。他にいいアイデアも思い浮かばないため、やむなくそう書き始めているが、いくらやってもこの呼び方には違和感を拭いきれない。「だって現実にそんなこと言わないっしょー。笑 俺なにやってんだ。あっはっは。爆」みたいな。

 文学に文学的表現があるのと同じように、ビジネスにはビジネス的文法がある。その必要性は分かる。分かるけれども、僕はどうにもその流儀に慣れることができない。逆に送られてくるメールには「俺なんかには『くん』でいいのになぁ」と思うことも多々。

 「ビジネスの流儀」はメールに限らず色々なところで出くわすが、その流儀を超えたスタイルを確立している人を見るとかっこいいなと思う。無理がなく、楽しんで他者と接しているように見える。彼らは相手に合わせるのではなく、自分流なのだ。糸井重里や茂木健一郎なんかは僕にとってその代表だが、メディアに出ている人だけでなく、身近でも自分のスタイルを築いている人に出会うことが多くなった(ネットで意欲的に自分を表現している人には特に多い)。

 とはいえ、彼らはルールを知らないわけじゃない。知った上で逸脱しているところが洒落ているのだ。彼らと僕とを比べると、僕は今いる場所のルールを弁えないまま逸脱しているように思える。自分の限界で走っていたら、ふと気がつくとルールが変わり、滑稽に踏み入れるギリギリまできていたようだ。

 3年前に「自分を開いていこう」と決めて自分の打ち出し方を変えてきたが、いつしかその方向に振れ過ぎてしまったらしい。逸脱しすぎた結果、相手とすれ違うことが増えた。それじゃ本末転倒だ。僕が大切にしたいのは、出会った相手と真っ直ぐなコミュニケーションを行うこと。無理なく、楽しんで他者と接すること。

 そのために、たとえば、今までは人に迷惑をかけない限りでオープンにすることを自分のスタイルとしてきたが、少しずつクローズに戻すのもいいかな、なんてことを考えている。20代も折り返し地点を過ぎたことだし、新たなルールの中で、今までとは違うスタイルを作り上げていきたい。これからまた試行錯誤を繰り返すことになると思うけれど、それにに関して思うことがあれば、こっそり教えてもらえると嬉しいです。