2009年4月10日

最近変わりつつあること


 森巣博の「越境者的ニッポン」を実に面白く読んだ。一昔前だったら手にすら取らなかったであろうこの本。理由はいくつかあるのだけれど、そのひとつは1月に行った瀬川さんと脇くんとの鼎談がある。

 海外で長く働いた経験のある瀬川さんが、「僕は、日本という枠は、村や町や県と同じように飛び越えてしまうんだよね。世界というならまだ分かるんだけど」と言っていた。続けて「なぜ君はそんなに日本を大切に思うんだろう?」と問われた僕は、実に素朴な答えしか返すことができなかった。

 以来けっこうな衝撃を受けて、「日本を変えなきゃ」と息巻いていた僕は何故そう考えるようになったのかを問いはじめた。長らく政治学科、それに早大政友会という政治サークルにまで在籍して、それなりには考えてきたつもりだった。だが『越境者的ニッポン』を読んで気がついたのは、そもそもその思考を形成するための材料が実に限られていたのだなということ。

 『越境者的ニッポン』は、日本という国がいかにおかしな国であるかということを、権力構造、特にジャーナリズム批判を通じて、これでもかと語り続ける。彼の主張だけがすべてではないと思うものの、なるほどそうだよなぁと思わされることも多い。この出会いをきっかけに、すこし思考の幅が広がるといい。世界の捉え方が変わるといい。

 最近は、少しずつ海の向こうへと目が向きつつある。10代の頃は「憧れ」の対象に過ぎなかったものにリアルな問題意識を感じるようになってきた。僕が実際に海外で何かをするのは当分先だろうが、でも、いつか何かを起こせそうでわくわくする。

 とはいえ。

 未来のために大切なのは、今この一瞬。まずは僕のできるこの国で、やるべきことをやっていくよ。


 PS. ほんと遅れていて関係者には申し訳ないのだけれど、今月中には「鼎談」を上げられそうです。