2009年4月13日

忘れられているもの、思い返すもの ~社会的雪かきの中で~

 たぶん、早稲田生の99%は忘れていると思う。そして、日本人の8割は知らないと思う。悲しいことに、世界中の過半数の人はそう考える機会すらないと思う。

 僕らは自由だということ。

 僕らは明日にだって今いる場所から離れることができる。大学を辞めて世界へ飛び出すことができる。会社を辞めて自給自足の暮らしをすることができる。そうして意識的に価値観を180°変えることもできる。

 「なんて突拍子のないことを」って思うかもしれない。

 でも、そうすることで失うものは何なのだろう? 僕らの命はそう遠くないうちに尽きる。そうした前提に立てば、やれないことは何ひとつない。もし条件をつけるとすれば、人を悲しませたり傷つけたりしない限りにおいて、ということだけだ。

 僕はいつもそうした生き方に想い焦がれてきた。でも、今の僕には目の前にやるべきことがある。だから、やるべきことを果たしたと思えるその時まで、淡々と日々のことをやり続けるだろう。

 ただ、それは僕にとって、ある種の雪かきみたいなものだ。そう、名付けるとすれば「社会的雪かき」。

 いま進めている物語のあらすじは読めてきた。きっとそれはそれで楽しい。でもいつだって未来に生きてきた僕にとって、あらすじの読める未来の物語は、もはや過去にも等しい。だから時々思い返すのだ。

 僕らは自由だということを。