2009年5月22日

よくある質問と、その返答

Q1.勉強法を教えてください。
Q2.今からでも受かりますか?
Q3.やる気・目的がないんですが…。
Q4.人生をリセットできますか?

 テレビ放映後、多数の問い合わせをいただいた。道塾への問い合わせには特に支障なく答えられたのだけれど、僕への直接の問い合わせには僕一人しか答えられないため、多くの人には返事が遅くなってしまい失礼しました。

 ブログ上での質問には基本的に答えないことにしているのだけれど、今回の質問は主に上記の4パターンに分けられたので、まとめて返答、という形で以下に書くことにする。直接問い合わせをしていないが気になっていた、という人も多いと思うので。

 道塾への問い合わせはともかく、僕個人への問い合わせがこれだけあるのには驚いた。年齢層も小学生から50歳を超える人までバラバラで、日本中で、これほど多くの人が勉強について悩んでいるのだなと実感させられたのがテレビ放映後の感想。

 塾生や知り合いから聞いた話によると、放映された内容をホームルームで紹介する高校があったらしい。直接聞いただけで2件あるので、実際には結構な数になるのかもしれない。僕のようなアンチテーゼを唱える人間が学校体制内で紹介されるのはちょっと意外だった。

 ちなみに、こともあろうにそのうちのひとつは僕が一年で中退した母校(中高一貫校)の高3のクラスで、「立派なOB」と紹介していたと聞いた。その学年の学年主任は僕が在籍時(中1)の頃の担任らしくて、なんだか不思議な感じがする。あの頃は「バカ」とばかり言われてた気がするんだけどな・・・。笑



Q1.勉強法を教えてください。(藤さん他)
A1.必要な「勉強法」は一人ひとり変わってくる。たとえば、偏差値30の人と、あと1点で早稲田に受かる人とでは、勉強法は違う。だから、まずゴールを定め、その後に自分の立ち位置を分析して、そしてゴールと自分との間のギャップを埋めるにはどうすればいいかを考え、最適な処置を取るということが必要。この時、キーとなるのはインターネットの使い方。

 ただ、こうした一連の作業には、大量の情報を調べて整理することが欠かせない。そして、そのためには高い情報収集能力と豊富な時間が必要になる。けれども、現実にはそれは難しい。なぜなら、そう簡単に情報収集能力は上がらないし、ましてや受験生は受験までの限られた時間の中では勉強法などより勉強そのものに時間を費やす必要があるから。

 だから、受験生が勉強法を学ぼうとする場合、一般的には書店で売っている勉強法の本から学ぶことになる。実際、僕もそれをやったし、役に立つことも少なくなかった。ただ、これらの本を1,2冊だけ読み、それをそのまま自分に当てはめようとしても、実際はそう簡単に上手くいかない。理由は、一人ひとりの状況の違いによって、どのような勉強法が必要かが変わるから。

 こうした受験生に対して、できる限りのサポートをしたい、と思ってはじめたのが道塾の指導スタイル。毎週30分勉強法を教える、というのは試行錯誤の結果にできた指導法なんだ。だから、自分ひとりへのベストな勉強法を教えてほしい、ということであれば、道塾で学んでくれ、という結論になる。

 もしベストを求めないから一般的な勉強法を学びたい、ということであれば僕の書いた「早稲田への道」を参考にしてほしい。ここには細かな話は載せていないぶん、本当に受験の肝となる部分だけを載せているから、これを読むだけでもすぐに役立つことは多いはず。また、いま君が高校生なら「高校生新聞」が学校の教室や図書室にあるだろうから、そちらでの僕の連載もあわせて読むことも勧めたい。短い文だけれど、内容をぎゅっとつめているので。

 それと、今年の夏には僕の勉強法の本が出る。この本は細かな勉強法というよりも、受験勉強の概念を変えること、誰が読んでも役に立つこと、そして受験勉強全般の手引きになることを目的としている。そのため、必然的に基礎的な内容の本になるけれど、勉強そのものと同じく、勉強法も基礎がもっとも大切。偏差値が常時70を超えるような人でない限りかなり役に立つと思うので、興味があればこちらも手にとってほしい。なお、発売時期は7月下旬を予定してます。


Q2.今からでも受かりますか?(一ノ瀬さん他)
A2.これは「早稲田への道」で何度も聞かれてきた質問なので、そちらを参考にしてくれ。

といいたいのだけれど、念のため答えよう。

 今からでも受かるかどうかは、当然、志望校と、自分の置かれた状況によって異なる。ただ、僕と同じ私立文系(早稲田など)志望で、1日8時間を平均で確保できるのであれば、勝負できるところまでは確実にたどりつける。学校に行っている場合でも、授業を有効活用したり、不要な授業を切ることによって、1日8時間は一般的に確保できるはず(できない場合、道塾スタッフになった真野のように高校を中退するという選択肢も残されている。※勧めないけれども)。

 そういう意味では、時間的な面からだけ言えば夏までは誰にでも可能性は残されている、と僕は思ってる。ただ、最後に受かるかどうかは本人次第。何事にも「絶対大丈夫」なんてことはない。A判定を取っていても当日の調子が悪くて落ちることはザラだし、僕のようにE判定ばかりでも最後の追い込みで受かることはある。

 いずれにしても「受かりますか?」なんて野暮な質問をする暇に、受かるためのアクションを起こすヤツが先をいくのは間違いない。受かる可能性があると信じなければ、アクションを起こせないからね。

 それが分かったら、もうくよくよ悩んでないで、具体的なアクションを起こそう。可能性に賭けて、全力で突っ走ろう。そのための方法は「早稲田への道」に書いてあるはず。


Q3.やる気・目的がないんですが…。(トラさん、TTさん他)
A3.やる気は自然と起きるものじゃないし、目的はそう簡単に見つかるものじゃない。答えを求めて、すぐ見つからないからって、安易に諦めないようにしよう。少なくとも、僕は「これだ」という自分の生きる道が見つかるまでに、探しはじめてから5年以上かかった。でも、5年で見つかるのだって早い方だと思う。それまでの間は、苦しいけれど、自分の生きるべき道を探すのに必死になるべき時期なのだと思う。

 ひとつアドバイスをするとすれば、いきなり「これだ」という完璧な答えを見つけようとしないこと。完璧主義者ほど、つい「これだ」というものに巡り合うまで探し続けてしまうけれど、それは探せば見つかるというような類のものじゃない。ふっと舞い降りてくるものなんだ。

 たとえば、多くの人がゴールと設定して必死になっている大学受験だって、志望校に合格するということが「これだ」という最終的な答えにはなることは決してない。なぜなら、大学というのは、あくまで人生の通過点に過ぎないのだから。

 とはいえ、人生はどんなことだって通過点の連続。どこにゴールがあるかなんて、誰にも分からない。だから、一瞬一瞬、小さな自分なりのゴールを設定して、そこに向かって努力してみることが大切。そこで小さなゴールへ向けて努力することの面白さを感じることができれば、次からはまた別のゴールに向けて努力することができるよ。

 結論から言えば、そのプロセスを楽しむことにこそ、人生の充実感があると思う。だから、困難な道を歩むことこそ楽しいと僕は思ってるんだ。

 今、君の人生の先で待ち受けている大学受験で上手くいけば、色々なチャンスを手にすることができる。だから、とりあえずは大学受験を、それもできるだけ高い地点を今時点でのゴールと設定してみる。それは決して悪くない方法だと思う。

 もし、それでもなかなかやる気が起きないのであれば、とにかく具体的に動いてみること。頭の中で「やる気が出ないなー」なんて唸っていても、「やる気」というものがポロッと出てくることは決してない。

 やる気というのは、何かとぶつかって、その瞬間の摩擦熱から生まれてくるもの。だから、やる気を出したければ、とにかく具体的にアクションしてみること。インターネットで検索するもよし、本を読んでみるもよし、映画を観るのもよし、あるいは街や大学へ出かけたり、両親や仲間と相談してみたり、ね。普段あまりしないこと、がキーになることも多い。

 頭の中からやる気が出てくるほど、君の頭は燃えていないだろう? なら、熱をどこかに求めにいこう。

 これに関しては、ひとつ前の記事の最後に載せた、スティーブ・ジョブズの動画も参考にしてみるといいと思う。彼のスピーチはトップエリートの大学卒業生向けだけど、誰の心にも届くメッセージがあると思う。


Q4.人生をリセットできますか?(ZEROさん他)
A4.できます。

 大切なのは、1、本気でリセットしようと思うかどうか。 2、そのための方法を見つけられるかどうか(見つけられればやる気が出る)。 3、実行できるかどうか。これだけ。そして、リセットボタンはすぐそこにある。あとは君が手を伸ばすか、伸ばさないか。

 これまで人生が楽しくなかったと総括する人は、自分の人生を不遇だったと感じると思う。不条理だと思うこともあるだろう。僕もそうだった。ただ、その経験は、その状況から抜け出ることができれば、かけがえのない自分の財産となる。

 何の苦しみもなく生きてくると、苦しみそのものに共感することが難しい。でも、つらい経験をしてきた君だからこそ、できることがあるはず。君がやれれば、そのあとに続ける奴らもいるよ。だから、勇気を持って、一歩踏みだして、頑張ってほしいと思う。

 今の状況から抜け出ることができるかどうかは、ほんの僅かな差なんだ。どうせ無理だ、って冷笑するか、わずかな光を頼りに走りはじめてみるか。どちらを選びたいかは、君に残された「生命力」次第だと思う。まだ僅かでも残っているのであれば、それが尽きないうちにスタートしよう。

 迷う必要はない。スタートしなければ、いつまで経ってもゴールにはたどりつけないのだから。

2 Comment:

youko さんのコメント...

大人が道塾に申し込みできる枠はありますか?
大人になっても、勉強の仕方がよくわからなくて困っています。
あまり勉強の経験がなく、要領がつかめなく、はかどりません。

Unknown さんのコメント...

道塾に関してのご質問は、道塾ウェブサイトの問い合わせフォームより行ってください。なお社会人の方の入塾可否は状況によって異なるので、状況を詳細に書くようお願いします。