2009年9月1日

ハンデをアドバンテージに


 楽しいことは1日中やり続けることができると思っていた。だから休むこと自体が罪悪なように感じていた。そんな状況が1年以上続いていたように思う。

 だが、最近はどれだけ楽しいことでも24時間365日やってれば飽きるよな、という当たり前の結論に達した。勉強と同じだ。それ以来、休息も良い仕事をする上で欠かせないものだと思えるようになった。

 という背景もあって、久しぶりに仕事を2日間お休み(+土日を利用)して3泊4日の沖縄・宮古島へ旅行に行ってきた。深い青空の下には、コバルトブルーの海。珊瑚でできた島のビーチに潜れば、真っ白な海底に水族館みたいな光景が広がっていた。




 とは言え。

 旅先でも道塾との関わりが絶たれるわけではない。宮古島は道塾スタッフである砂川の出身地。僕の旅行と砂川の帰省の時期が重なったこともあり、砂川が講演会を企画して手配してくれた。

 その企画に市役所・宮古毎日新聞・宮古新報・教職員・PTAの方々など、様々な方が積極的に協力して下さり、5名~10名くらいかなと見積もっていた企画は、最終的に70名くらいの島民の方に参加していただいた。



 講演会のテーマは「離島のハンデをいかに克服するか」。砂川と二人で互いの来歴を交互に語り、都市部と離島の教育格差とその解決方法を語った後、質疑応答を行うという流れで話を進めた。

 一般的に地域間での学力差を生むと考えられているものに、①設備、②情報、③人々の意識がある。だが、道塾をやっている中で気づくのは、①「設備」はほとんど関係なく、②「情報」も今や地域差は埋められる時代になっているということ。

 やたら豪華な設備の予備校・塾を好む保護者がいたり、むやみに高価な電子辞書を買う受験生は少なくないが、そのほとんどは自己満足に過ぎない。情報にしてもインターネットさえあれば東京にいるのとさして変わらない。

 差をつけるのは「ハンデがある」という意識と「だから無理なんだ」と結論づけるネガティブ思考。だから、と僕は講演会で語った。③「人々の意識」が変化すれば状況を一変させることができる、と。

 ハンデがあることはアドバンテージになり得る。そして、そう思い切ることさえできれば、力が湧いてくる。

 たとえば発展途上国のリーダーたち。昔の日本もそうだったろうが「遅れている」という危機意識こそが、先を行く国々に追いつこうとするエネルギーになっているはずだ。世界陸上に出ていた選手達にせよ、彼ら全員が幼少から十分な設備・情報に恵まれていたわけではないだろう。

 教育という側面から見れば、「ハンデがある」という認識を「乗り越えられるもの」へと変えることができれば、ハンデがない都市圏に住む人々よりも、教師は志を持って指導することができるし、子どももハングリーになれるはずだ。

 そうした点において、砂川はハンデがある環境を経て受験を乗り越えた者として、そして現在は指導側に回っている者として、素晴らしいロールモデルに成り得ている。だからこそ、下のような記事も生まれたのだと思う。

「やる気は意識次第」/後輩に熱いメッセージ 砂川博範さん(早大2年):宮古毎日新聞

 故郷へ錦を飾ると同時に、その姿を見た若者たちが夢を抱く。数年後、彼ら自身がモデルとなって次の世代の若者の新たな希望となる。そんな循環を、道塾を通じて数多く生みだしていきたい。

love is all.

 PS.来週からしばらく京都に滞在します。

 リンク:進む砂時計(砂川blog)

2 Comment:

すなかわ さんのコメント...

2枚目の写真道塾のHPに使えそうじゃないですか?

砂道の先にある海が無限の可能性を象徴しているみたいです!

匿名 さんのコメント...

初めて投稿します。

2chで生まれた道塾ですが
以下の2chの掲示板で道塾の批判がたくさんなされています。

http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/juku/1251693105/301-400

これに対してどうお考えでしょうか?
受験生も不安に思う人も多いと思います。

すべてが建設的な批判というわけではないので鵜呑みにするわけではありませんが、なかには鋭い指摘もあり。

ここに書くべきか悩みましたが
相談させていただきます。