2010年4月3日

冬の時代を経て

約1ヶ月前の「ゆうどきネットワーク」放映の慰労会。いちばん右が元塾生の金安。道塾を立ち上げる前に一度会っていたから、もうかれこれ3年以上経つ。一人でやっていた頃は今と比べればシステムや指導法はひどいものだったけれど、その分だけ塾生一人ひとりと時間を取って関われていた。だから、当時の塾生のことはよく覚えている。金安はほんとうに変化し、成長した。人がこれほど変われるんだなということを目の当たりにする。

「金安はほんとうに変わったよなぁ。自分ではどう思う?」
「変わったと思います。かなり」
「当時の写真は危険すぎて放送で使えなかったもんなぁ。それと比べたら今は・・・」
「楽しいですね。あの頃には戻りたくない」

過去を茶化して話せるほどに成長した。その後、真ん中の③さんが言う。

「でも、この先はもっと辛いことがたくさんあるよ」

たぶんそうなのだろう。でも、この先どれだけ辛いことがあっても、笑い飛ばして歩いてほしい。金安は既にその第一歩を踏み出していると思う。「あの頃には戻りたくない」とまで言える成長の軌跡を思い描いて、この先どうやって道を切り拓いていくかを考えればいい。その時に、道塾で学んだことは必ず力になるはずだ。

「すべての学びは必ず役に立つ。学んでいることに意味がないように思えても、それは必ずどこかで繋がるんだ。学ぶことで世界を知り、それによって自分にふさわしい生き方を見つけることができる。あまりに複雑になったこの世界において、必死に学ぶことなく自分が真にやりたいと思えることを見つけることなんてできるわけがない。

(中略)

学ぶことで、どんな場所にいても人生を切り拓くことができる。そして君たちが学ばない限りこの国はどんどん暗くなる。逆に君たち一人ひとりが学ぶことで、この国は次第に明るくなっていく。一度きりしかない人生が、暗いよりは明るい方が楽しいと思う。道塾で学んだ塾生が学び続ける意志を持ち、日本に希望の火が灯されてほしいと思う。一人ひとりが世界を明るくすることに貢献するようになれば、世界はもっと面白くなっていくと思う。」

2009年度最後の「塾報」より

変化には必ず痛みが伴う。春を迎えるためには木枯らしが必要なように。だからこそ変化をも楽しめる心を持っていたい。冬の時代を経験した人間だからこそ、季節の移り変わりを愛でる強さを持てるはず。

金安にも、スタッフにも、そして今の塾生にも、皆にそうであってほしい。ちなみに金安の指導を最後に担当していたのは僕ではなく小竹。(ジョンと三井を除くと)いちばん最初の指導スタッフである小竹はこの4月で指導をはじめてから3年目を迎えた。スタッフもまた、塾生の成長に歩みを合わせるかのようだ。振り返れば1年前、2年前の自分がこうなっていると誰が想像できただろう。

それは何より僕自身に言える。学び、変化し続けていくこと。それによって自分の可能性を花開かせること。それを身をもって示していきたい。