2008年11月9日

人の役に立てる技術

 人の笑顔を作ることができればいい。人の役に立つことができればいい。真顔で言うのは恥ずかしいが、大学四年の頃からそんなことを考えるようになった。人のために尽くし切れるほど僕は善人ではない。ただ、そうしたことが僕の人生において大切な喜びであることは強く感じている。

 人の役に立つ方法は色々ある。辛そうにしてる奴の横にいるだけで、そいつを支えてあげることはできる。なにげないメールの一言で救われることだってある。事実、そうやって僕はなんとかここまでやってくることができた。ただ、僕は最近すこし違った形で役に立てて嬉しかったことがある。

 ある人に連れて行ってもらった料理屋のご主人が、僕のやっていることに共感してくれた。話しているうちに、「高2になる息子が、進路や勉強で悩んでいる。よかったら相談に乗ってやってほしい」と言われたので、「読むだけでも多少は役に立つと思います」と言って、「早稲田への道」や僕のblogを書き添えて名刺を渡した。すると数日後に一連のウェブサイトを読んだ息子さんから実際に連絡があった。

 思い返せば過去にもこういうことはあった。サークルの先輩の弟だったり、友人の妹だったり。そうした後では必ず、頼まれた人に感謝された。短い時間で伝えた僕の知識や言葉がどのくらい効果があったのかは分からない。それでも「早稲田への道」や「道塾」で培った「技術」が身近な人の役に立った経験は、たいした取り柄もないと思っていた僕には嬉しい出来事だった。

 気がつかなかっただけで、僕自身もさまざまな人が長年かけて培ってきた「技術」に支えられてきたのだと思う。僕はそれを別の形で返しただけだ。ただ、人の役に立てる技術を持っていることが、これほど自分の自信になるとは思っていなかった。これだけでも人が生きていこうと思える理由にもなるのかもしれない。

 僕らは支え、支えられて生きている。その実感を、また少し味わうことができた。ビジネスという形ではあれ、そうした支え合いの関係を感じながらやっていきたいと思う。


 【フォト】 MEGA PEACE vol.1でお世話になった方にいただいたリンゴ。でかくて美味そう!これからいただきます!