2008年12月13日

人生は徒労に過ぎないが、それ以外に道はない

 勝間和代が推薦して売れている『さあ、才能に目覚めよう』。胡散臭いタイトルな上に初版はずいぶん前の本なのに、最近ブログ各所でよく話題になってる。本の内容は、一言で言えば「自分の強みは変えられないから意識して伸ばせ」というもの。よくあるその手の本と違うのは、カバー裏にシリアルナンバーが載っていて、それを入力してウェブで行う「ストレングスファインダー」という性格実験のテストによって自分の強みを把握できること。僕も実際にやってみたのだけれど、結果は以下の通り。ちなみに上から強い順。

1,最上志向
2,学習欲
3,未来志向
4,自己確信
5,戦略性

 みっちゃん(道塾スタッフの三井)がしばらく前に、「ばばちゃんとジョンは、自分の強みを分かってるよね」と言っていた。そのセリフがやけに印象に残ったのは、「他の人は分かってないのかな」と疑問に思ったからだ。けれど、自分の過去を振り返ってみると、そういえば数年前まで強みなんて考えたこともなかったな、ということに気がついた。
 
「もし私が人様よりもうまく世渡りしてきたのだとしたら、その秘訣は 才能 = じぶん = 強みを人様より早く自覚していたからなのではないか。また、私の目から見て「この人生き上手だなあ」という人は、ほぼ一人の例外もなく 才能 = じぶん = 強み に自覚的であった。」 404 Blog Not Found:これで百戦危うからず? - 書評 - さあ、才能に目覚めよう

 その通りだと思う。僕が自分の強みに自覚的になったのは22歳とだいぶ遅かったが、それからはめまぐるしいスピードで物事が展開した。今もしているし、今後もし続けるだろう。それは強みに自覚的になったことで、それを積極的に活かそうとする意欲わき、実際に行動に移すスピードが速まったからだと思う。人生のスピードが加速したことによる様々な経験は素晴らしかった。ただ、そのことによる弊害もある。

 僕はたいした才能もないのに「最上思考」によってトップを目指し、「未来志向」により目指すべき場所がどんどん見えてきて、「自己確信」により実際にできると思い込む。そのため、いつも苦しみながら突っ走ることになる。「学習欲」と「戦略性」によって少しずつ形にできているのがせめてもの救いだが、それもさらに苦しみながら突っ走るための手段にすぎない。とすれば、僕の人生は「未来への努力」の一言で片付く徒労にすら思えてくる。

 まぁでも、こういう風に「強み」として言われたら、「仕方ないか」と踏ん切りもつく。自分の才能を信じて、やれるとこまでやってやろう。それ以外に生きる道はないのだから、ってね。

 参考までに、僕の結果の詳細は以下の通り。このテストが信憑性100%という訳ではないけれど、昔の僕みたいに自分の強みについて考えたこともなかったような人は、やってみる価値はにあると思う。駅前で手相を見てもらったり、雑誌の星占いに一喜一憂するのも面白いけれど、このテストは即効性があって役に立つから、何か物事に直面してる人には特にいいんじゃないかな。

 ところで、この結果は僕以外の人の目にはどう映るんだろう…?

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 「最上志向」
 優秀であること、平均ではなく。これがあなたの基準です。平均以下の何かを平均より少し上に引き上げるには大変な努力を要し、あなたはそこに全く意味を見出しません。平均以上の何かを最高のものに高めるのも、同じように多大な努力を必要としますが、はるかに胸躍ります。自分自身のものか他の人のものかに関わらず、強みはあなたを魅了します。真珠を追い求めるダイバーのように、あなたは強みを示す明らかな徴候を探し求めます。生まれついての優秀さ、飲み込みの速さ、一気に上達した技能――これらがわずかでも見えることは、強みがあるかもしれないことを示す手がかりになります。そして一旦強みを発見すると、あなたはそれを伸ばし、磨きをかけ、優秀さへ高めずにはいられません。あなたは真珠を光り輝くまで磨くのです。このように、この自然に長所を見分ける力は、他の人から人を区別していると見られるかもしれません。あなたはあなたの強みを高く評価してくれる人たちと一緒に過ごすことを選びます。同じように、自分の強みを発見しそれを伸ばしてきたと思われる人たちに惹かれます。あなたは、あなたを型にはめて、弱点を克服させようとする人々を避ける傾向があります。あなたは自分の弱みを嘆きながら人生を送りたくありません。それよりも、持って生まれた天賦の才能を最大限に利用したいと考えます。その方が楽しく、実りも多いのです。そして意外なことに、その方がもっと大変なのです。

 「学習欲」
 あなたは学ぶことが大好きです。あなたが最も関心を持つテーマは、あなたの他の資質や経験によって決まりますが、それが何であれ、あなたはいつも学ぶ「プロセス」に心を惹かれます。内容や結果よりもプロセスこそが、あなたにとっては刺激的なのです。あなたは何も知らない状態から能力を備えた状態に、着実で計画的なプロセスを経て移行することで活気づけられます。最初にいくつかの事実に接することでぞくぞくし、早い段階で学んだことを復誦し練習する努力をし、スキルを習得するにつれ自信が強まる――これがあなたの心を惹きつける学習プロセスです。あなたの意欲の高まりは、あなたに社会人学習――外国語、ヨガ、大学院など――への参加を促すようになります。それは、短期プロジェクトへの取組みを依頼されて、短期間で沢山の新しいことを学ぶことが求められ、そしてすぐにまた次の新しいプロジェクトへに取組んでいく必要のあるような、活気に溢れた職場環境の中で力を発揮します。この「学習欲」という資質は、必ずしもあなたがその分野の専門家になろうとしているとか、専門的あるいは学術的な資格に伴う尊敬の念を求めていることを意味するわけではありません。学習の成果は、「学習のプロセス」ほど重要ではないのです。

 「未来志向」
 「もし・・・だったら、どんなに素晴らしいだろうなぁ」と、あなたは水平線の向こうを目を細めて見つめることを愛するタイプの人です。未来はあなたを魅了します。まるで壁に投影された映像のように、あなたには未来に待ち受けているかもしれないものが細かいところまで見えます。この細かく描かれた情景は、あなたを明日という未来に引き寄せ続けます。この情景の具体的な内容――より品質の高い製品、より優れたチーム、より良い生活、あるいはより良い世界――は、あなたの他の資質や興味によって決まりますが、それはいつでもあなたを鼓舞するでしょう。あなたは、未来に何ができるかというビジョンが見え、それを心に抱き続ける夢想家です。現在があまりにも失望感をもたらし、周囲の人々があまりにも現実的であることが分かった時、あなたは未来のビジョンをたちまち目の前に呼び起こします。それがあなたにエネルギーを与えてくれます。それは、他の人にもエネルギーを与えます。事実、あなたが未来のビジョンを目に浮かぶように話すのを、人々はいつでも期待します。彼らは自分たちの視野を広げ、精神を高揚させることができる絵を求めています。あなたは彼らのためにその絵を描くことができます。描いてあげなさい。言葉を慎重に選びなさい。できる限りその絵を生き生きと描きなさい。人々はあなたが持ちこんで来る希望につかまりたくなるでしょう。

 「自己確信」
 自己確信は自信と共通する点があります。心の奥深くで、あなたは自分の強みを強く確信しています。あなたは自分は絶対出来る――リスクを取ることができ、新しい挑戦をすることができ、そして最も重要なこととして成果を出すことができる――ことを確信しています。ただし、自己確信は単なる自信を越えるものです。自己確信という資質に恵まれたことで、あなたは自分の能力だけでなく判断力にも自信を持っています。自分の周りを見た時、あなたは自分の見方が独自かつ独特であると強く思います。そして、あなたと全く同じ見方をしている人は誰もいないので、あなたに関する事について決定を下せる人はあなたしかいないと絶対に信じています。何を考えるべきかは、誰もあなたに指示できません。彼らはヒントを与えることはできるでしょう。助言することもできるでしょう。しかし、あなただけが、結論を出し、何をするかを決定し、行動する権限を持っています。この権限、更にはあなたの人生に関する最終的な責任を取ることを、あなたは決して怖がりません。むしろ、あなたには当たり前に感じられるのです。状況の如何に関わらず、あなたは何が正しい決断であるかをいつも知っているようです。この資質は、あなたに確信に満ちた貫禄を与えます。他の人と異なり、いくら説得力があっても、あなたは他の人の主張に安易に左右されることはありません。この自己確信という資質は、あなたの他の資質の持ち方によって、表面に現れたり現れなかったりしますが、その資質は強くしっかりとあります。船の竜骨のように、それは方々からの攻撃に耐えて、あなたが進路からはずれないようにします。

 「戦略性」
 戦略性という資質によって、あなたはいろいろなものが乱雑にある中から、最終の目的に合った最善の道筋を発見することができます。これは学習できるスキルではありません。これは特異な考え方であり、物事に対する特殊な見方です。他の人には単に複雑さとしか見えない時でも、あなたにはこの資質によってパターンが見えます。これらを意識して、あなたはあらゆる選択肢のシナリオの最後まで想像し、常に「こうなったらどうなる? では、こうなったらどうなる?」と自問します。このような繰り返しによって、先を読むことができるのです。そして、あなたは起こる可能性のある障害の危険性を正確に予測することができます。それぞれの道筋の先にある状況が解かることで、あなたは道筋を選び始めます。行き止まりの道をあなたは切り捨てます。まともに抵抗を受ける道を排除します。混乱に巻き込まれる道を捨て去ります。そして、選ばれた道――すなわちあなたの戦略――にたどり着くまで、あなたは選択と切り捨てを繰り返します。そしてこの戦略を武器として先へ進みます。これが、あなたの戦略性という資質の役割です:問いかけ、選抜し、行動するのです。