2008年12月1日

多読のメリットと罠

 1日1冊、週に1日くらい休む日があるから、それを計算に入れて週6冊。で、年300冊。数ヶ月前からこのペースで続けてきて、遅読の僕にしては多くのことを学べたと思う。が、新聞掲載からしばらく読書どころじゃなくなった。隙間時間を除けば本から離れていたと言っていい。ちょうど読みたい本も手元になくなっていた。今日、久しぶりに本屋に行って本をレジに積み上げた時、しばらく忘れていた幸福感に包まれた。

 本を読まない日々を送る中で、言い訳を考えるように思い浮かんだことがある。それは、同じテーマの本ばかり読んでいて思考の幅が狭くなっていたということ。本屋には毎日のように新刊が並ぶが、まったく新しいことを書いた本なんて存在しない。しっかり学びたいのなら、狭い範囲であっちこっちに目移りするよりも、ひとつのものに集中した方がいい。例えば経営の分野なら、凡百の経営指南書よりもドラッカー選集を繰り返し読むほうが最終的に身に付くものは多い。

 と思ってはいても、ついつい新しいものに飛びついていた自分に気づいた、というのが今日の話。

 経営や教育関連の本だけではなくばかりじゃなくて、小説、哲学書、学術書・・・読みたい本は無数にある。深く学びたい時は、ひとつを深くでいい。ただ、新しい着想を得たいなら広い範囲であっちこっち行くのがいい。僕はこのところ、どうやら狭い範囲であっちこっち行っていたようだ。だから自分の見える世界が、すなわち思考の幅が狭くなっていた。

 とりあえず多読の習慣をつけようと読み続けてきたが、それはもう十分にできるようになった。次は多読の習慣を使ってどのように学んでいくかにシフトしていこうと思う。多読を通じて学んだことのひとつは、遠くにあるように見える本同士が実は近いことを語っていることの多さ。異なるテーマの本の共通している部分をつなげると、新しいアイデアや思考パターンが生まれる。そのためにも、ひとつの分野を深めながら、同時に広がりを持てる読み方をしていきたいと思う。


 【フォト】 今日から12月。最近気がついたけれど、僕は12月が一番好きらしい。11月までは寒い感じがするのだけれど、12月になると街が明るくなるせいか、わくわくしてくる。ということで、イルミネーションシリーズ1@丸ノ内トラストタワーN館