2008年12月19日

プライドを守る

 僕は相対的プライドをひとつずつ捨ててきた。自分を少しずつ積み減らしてきた。するうちに、いつしか人と比べられる勝負には負けてもいいと思うようになった。世間体なんて、さらにどうでもよくなった。人からとやかく言われることも増えたが、誰に何を言われようとも流せるだけの力も身についていた。

 何かを捨てれば、得るものがある。

 失った「相対的プライド」の分だけ、僕は「絶対的プライド」を手に入れていた。自分の信念たるものが内側から少しずつ固まってきたのが分かった。僕はそれだけは絶対に誰にも譲るまいとしてきた。そして、そこの勝負では負けないように努力してきた。なぜなら、それは他でもない自分自身との戦いだからだ。

 ちょっと目を逸らすと逃げそうになる自分。卑屈になっていく自分。そんな自分の弱さと戦い続けることが、絶対的プライドを持つということだ。それを失ってしまったら、相対的プライドを捨てた僕には、拠り所として生きていくものがなくなってしまう。だから、僕は逃げそうな自分をとっつかまえて、ここで勝負しろ、と自分に言い聞かせてきた。

 僕の「勝負する」とは「自分の弱さとの勝負」だ。このblogもまた僕にとっては絶対的プライドで勝負してる場だ。

 こんなblog、たいして期待されてはいない。でも、僕はこれをやろうと決めた。できる限り自分をオープンに、日々思うことを語っていこうとしてる。一度決めたのだから、ここでは負けるつもりはない。

  10年後、僕のエントリーを読んだ少年が、「馬場祐平の過去にもこういう時代があったんだな。なら俺もやれるはず。頑張ろう」って思ってほしい。そのために僕の軌跡を、日々の葛藤も含めてありのままに残していこう。そう思ってblogを立ち上げ、ある時から毎日更新しようと決めた。

 だからさ。

 実はblogを更新できない日があると、ひとり勝手にプレッシャーを感じる。受験生には「自分に打ち克て」なんて繰り返してる僕だが、その僕の勝率を公開したらみんな驚くだろう。このblogにしたって、予定の時刻までに投稿できた方が少ないくらいだ。

 自分という勝負相手こそがいちばん厄介だ。僕は自分の弱さを焼き尽くせるほど強くはない。なかなか自分には勝てないよ。そんな日々はもちろん楽じゃない。でも、諦めなければ少しずつでも進歩はあると信じてる。そう思って、今日もまた3日遅れで僕はblogを更新する。

 自分に勝てなくてもいい。でも、諦めなければ負けはしない。何にせよ、結果は後から勝手についてくるものだ。だから決して逃げずに真っ向から自分と向き合うこと。それが大切だと思っている。

 もし受験生がこれを読んでくれているのなら、次第に辛くなってくるこの時期だからこそ、周りや偏差値に捕らわれず、「やろう」と決めた自分のプライドを守るために、自分の弱さとの勝負を続けてほしいと思う。

 あと2ヶ月。頑張れよ。


 【フィト】 イルミシリーズ7。22号館前のWIPによる恒例の装飾。さむーい冬のまっただ中、ここを通る人の気持ちを暖かくしてくれる最高のプロジェクトなのだけれど、数年前にこれがスタートした理由、みんな知ってるかな…?